バイオマスでの暖房


フィンランドのことわざにカラスを暖めてやると言うのがあります。 そうならないようにと戒めているのですが、例えば暖炉から出る煙が必要以上に高温なのは無駄だというのです。

 

まきを燃やすと煙が出ますから、煙は完全に屋外に出す必要があります。そのために煙突をつけるのですが、発生した煙を引き出すに要る温度を残して、それ以上の熱はきちんと屋内に取り込んでから外に出すのが賢明です。日本でも盛んにバイオマスでの暖房が言われておりますがその点はどうなのでしょう。 

 

建物の断熱がきちんとできていないとせっかくの熱が無駄になります。 まきストーブの有る無しに関わらず、酸素は使われるので気密性の高い建物では新鮮な空気の補充が必要となります。そして汚れた空気は外に出す必要があります。フィンランドでは屋外に排出する空気から熱を奪って、取り込む新鮮な空気を暖めることが今では個人の住宅でも当たり前に行われています。

 

わが家を79年に自設計しプロと共同作業で建てましたが換気装置には熱交換器をつけています。ちなみに暖房の熱源は地熱(敷地内と裏の湖の底に埋めたパイプラインで熱を回収)、煙が2層巡回してから煙突に入る蓄熱式暖炉、窓ガラスは4枚木製サッシュ、壁には200ミリの断熱材、床下には外気から断熱した80センチの空気層、天井は発泡断熱材で支えた300ミリのグラスウール等です。

 

外壁はプレハブメーカーから購入、大半はアイディア通りにできたのですが、子供たちが独立した後、間取りを変えられる様に移動可能の壁で仕切ることは床材の納品遅れで不可能でした。 この暖炉を燃やす時の空気ですが、温まった室内の空気を使うのは無駄です。

 

ですので断熱したパイプで暖炉を燃やす時だけ直接に給気しています。 なお屋根は工場の建物用の木製トラスで支えています。屋根のトラス専門メーカーがあるのです。 まきを燃やすとススが出ます、ススがたまると煙突の煙の引きが悪くなりますし、火の粉の元になり危険です。ですから年に1度は煙突の掃除が法的に義務付けられています。